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ベンチャーサポート税理士法人
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物語でわかる失敗しない!?会社設立10のルール

 

 

こんにちは、ベンチャーサポート税理士法人の税理士の中村です。

一般書には書いていない会社設立時の注意点を物語形式で解説したレポート「物語でわかる会社設立10のルール」をe-Bookとして発刊し、e-Book大賞・最優秀賞をいただき、多くの起業家に読んでいただいたのが今から7年前のことになります。
当時と比べると、今は働き方の多様化に起因して起業する人も多くなってきています。

また、ベンチャーサポート税理士法人も会社設立をお手伝いさせていただいた件数も1万社と飛躍的に増え、税理士事務所としての規模も大きくなっていますが、「起業家を全面的にサポートする」という使命は今も微塵も変わっていません。

今回は、その当時のレポートを2017年版として更新し、e-Bookではなく、通常のインターネット記事として公開することにより、関連記事へのリンクページをご参照いただけたり、より多くの方に、より分かりやすく会社設立についての全貌を把握していただけるようにしています。

ぜひご一読いただければ幸いです。

ベンチャーサポート税理士法人 総代表 中村真一郎

 

 

 

はじめに

私が税理士・行政書士として、今まで1万社以上の会社設立のお手伝いをしてきましたが、その経験を通じて一つの事実に気付きました。

それは「会社設立には正しい設立と間違った設立がある」ということです。

そしてもし「間違った設立」をしてしまえば、何百万円という大きな損をしてしまうのです。 「間違う」と言っても「法的に手続きを間違う」というわけではありません。 法的に間違ったら会社はできませんからね(笑)。 そこでまずは法的な会社設立の手続、自分で会社設立を考えている人向けの知っておくべきことについて見ていきます。

 

・初めての人でもわかる会社設立の全手順

・自分で会社設立を考えている人向けの知っておくべきこと

 

その上で「間違った設立」について物語形式で10のルールを確認します。「間違った設立」とは、「法律的には問題なくても知らなかったために損をする」という意味です。 具体的には設立後の税金や助成金を考えた設立をしていないということです。 市販されている、いわゆる「会社設立の本」にはこういったことは書かれていないことがほとんどです。 そんな「間違った設立」をしないために絶対知っておかなければいけない10のルールを今回のレポートで書かせていただきました。 難しい表現を使わずに、ストーリー形式で書きましたので会社設立のことをあまりご存知ない方でも簡単にご理解いただけるかと思います。 また用語解説も随所に入れておりますのでご参照ください。 後半には、これから会社設立をされる方に事前に知識としてもっていただきたい、3つのテーマの記事を書いています。

  • 会社設立事前知識1 「私の起業は他の人の起業と違うのか~データで見る最近の会社設立~」
  • 会社設立事前知識2「成功する起業の原点 ベンチャーサポート流事業計画書」
  • 会社設立事前知識3 「合同会社を知る!」

お役に立てるところがあれば幸いです。 そしてこのレポートが設立を目指す起業家のみなさんのお役に少しでも立てれば、日々会社設立の現場に立つ者としてはこの上ない幸せに思います。

それでは夢を実現するためにぜひご活用ください!!

会社設立10のルールから読みたい方はこちらから↓↓↓

 

 


自分で会社設立したい人向けの会社を作る手順

会社設立手続きに入る前に、事前に確認すべき事項を流れに沿ってまとめました。手続きの際には、専門家として必ず確認する事項があります。失敗しない会社設立にするためにも、そのポイントを抑えておくことが大切です。

1 会社設立の流れ

まずは会社ができるまでの基本的な流れについてご説明します。
まず知っていただきたいのは会社を作るには順番があるということです。

1.1 会社設立手続きの流れ(概要)

  • STEP1 設立内容の決定
  • STEP2 目的のチェック
  • STEP3 印鑑の作成
  • STEP4 定款認証
  • STEP5 出資金の払い込み
  • STEP6 登記申請書類の作成
  • STEP7 登記申請する
  • STEP8 会社設立完了
  • STEP9 税務関係手続き

「STEP1」から順番にしていくのですが、「STEP1」に取り掛かる前に決めなければいけないことが一つあるのです。
言うなれば「STEP0」ですね。それは「STEP7」の「登記申請日をいつにするか」です。

なぜなら登記申請日をいつにするか考えないで「STEP1」から始めてしまうと、
自分が希望する「登記申請日」=「設立記念日」に会社を作れない可能性があるからです。結構、設立記念日って重要ですよね。

大安にするか、誕生日なんかの記念日にするか、「末広がり」の8の付く日にするか。
こだわりがある方はまずは「登記申請日」を決めて、そこから日程をさかのぼって
「いつまでに何をしなければいけないか」を考えてください。具体的には以下の記事を参考に「会社設立日」を決めてみてください。

1.2 会社設立にかかる費用

1.2.1 株式会社設立にかかる費用

まずは、法人として代表的な株式会社の設立にかかる費用について解説します。株式会社の設立費用は242,000円です。これは役所に支払う法定費用=実費の部分です。

このうち40,000円は定款に貼る収入印紙代で、「電子定款」を選択すれば不要になります。
電子定款の作成には専用機器が必要になりますので、専門家に依頼せず、自分一人で
完結しようと考えている方は、242,000円の実費がかかると考えてください。
電子定款を利用した場合の株式会社の設立費用は202,000円です。
この内訳は次のとおりです。

  • 定款の認証手数料:50,000円
  • 定款の謄本手数料:2,000円
  • 設立にかかる登録免許税:150,000円

ただし登録免許税については、資本金の0.7%の金額と比較し、その金額が150,000円を超えていれば
そちらの金額が必要となりますので、資本金額が約2,140万円を超えるような場合は上記の限りではありません。

1.2.2 その他必要になってくる費用(会社印鑑、謄本等)

会社設立にあたってその他にお金がかかるものは次のとおりです。
通信回線の費用や事務所の賃貸料といったものではなく、あくまで法的な会社設立に直接関わるもののみを挙げています。

  • 新しく設立する会社の実印作成代:約5,000円程度〜
  • 設立時に必要な個人の印鑑証明取得費:約300円×必要枚数
  • 新しい会社の登記簿謄本の発行費:約500円×必要枚数

以上、約10,000円程度以上の出費になります。
法定費用とあわせると約250,000円くらいかかると考えてください。

また、会社設立の専門家に代行を依頼した場合、その代行手数料がかかりますが、
これは依頼する事務所によって色々です。

1.3 設立内容の決定

STEP1:設立内容の決定

設立内容で決めなければいけないことは

  • 1.会社名
  • 2.本店所在地
  • 3.資本金
  • 4.設立日
  • 5.会計年度
  • 6.事業目的
  • 7.株主の構成(発起人の決定)
  • 8.役員の構成

の主に8つです。ここで決めた内容は「STEP2」の定款 を作る際に必要になる事柄です。
その他細かい内容として下記の事項などがあります。

  • 1株当たりの金額
  • 発行済可能株式総数
  • 取締役会の設置の有無
  • 役員の任期
  • 株式譲渡制限の有無

1.3.1 会社名の決め方

■株式会社(有限会社)の文字を入れる!

社名の前後には必ず株式会社(合同会社)の文字を入れなければいけません。一応中間につけてもいいそうですが、
そんな人いませんよね。

■会社の部門を表す表記は使用できない!

例えば、「株式会社あきやま営業企画部」のような、部門を表す言葉(支店・支部・出張所)などの文字は登記できません。

■アルファベットも使えます!

以前は日本文字(漢字・ひらがな・カタカナ)しか使用することが出来ませんでしたが、
現在はアルファベットも使えるようになりました。

■銀行・信託の文字は使えません!

銀行業や信託業を業とする会社以外は、使用することが出来ません。

■不正使用禁止!

類似商号にあたらなくても、有名な会社の商号を無断で使用することは禁止されています。例えば「三井」「三菱」「東芝」「日立」などです。一般的に名前の通っている会社と同じ商号は避けましょう。

1.3.2 登記する会社の本店所在地の決め方

本店所在地とは会社を登記する住所のことです。
自宅でも結構ですし、新たに借りる事務所の住所でも構いません。
定款においては、「当会社は、本店を大阪市北区に置く」といった記載にしておくのが一般的です。

ただし、バーチャルオフィスの住所を本店所在地としたために銀行口座を作るのが困難になってしまったりすることもあります。
最近は銀行口座開設も厳しくなっています。また、設立後の創業融資を検討している場合には、
実際に事務所として軌道している場所が本店所在地でないと、市区町村の利息の斡旋を受けることができなかったり、
融資そのものの申請が難しい状況になってしまいます。

自宅にする場合、賃貸オフィスにする場合、レンタルオフィスの場合のメリット・デメリットや本店所在地による助成金や融資の影響について下記の記事でまとめていますのでご確認ください。

1.3.3 資本金の決め方

資本金は会社設立時の元手をいいます。初期投資を株主からしてもらって、それを使って利益を上げていく。これが資本金の意味合いです。
ちなみによくある勘違いなんですが、「資本金はずっと通帳に残しておかないといけない」とお考えの方もいます。
これは間違いです。

初期投資ですから、いろいろなものに使っていくのが正しいです。
資本金の金額がそのまま通帳に残ってる方が変なんです。実際の会社設立の現場では、
「出せる費用」という側面で決めることが一番多い
です。

100万~300万が一番多く、最近は30万円、50万円と言う方も増えてきました。
また上限は1000万未満にすることをお勧めします。
これは消費税という税金を考えると、1000万未満が有利になるからです。

1.3.4 会社設立日の決め方

結構、設立記念日って重要ですよね。
大安にするか、誕生日なんかの記念日にするか、「末広がり」の8の付く日にするか。
日取りのよい日を決めるために、使われる「六曜」について説明します。

1.3.5 会計年度・事業年度の決め方

事業年度とは法人にとっての1年間のことです。
つまり簡単に言えば、「何月決算か」を決めるということです。
この事業年度は、法律的にはいつから始まりいつ終わるかは自由に設定できます。

大きな企業は4/1~3/31を事業年度にしていることが一般的です。
事業年度が終わると「決算」を行い、1事業年度の法人税などを納めることになります。

1.3.6 事業目的の決め方

会社の事業目的は、実際に行っていく事業内容はもとより、将来付随して行うであろう事業の内容も含めて記載することを検討していきます。
また許認可の申請を視野に入れる必要があります。

許認可手続は、登記後に行うのが通常のため、許認可を得るために必要な事業については必ず事業目的に入れるようにしておきましょう。

1.3.7 株主構成(発起人)の決め方

株主とは、株式会社に出資した出資者のことをいいます。
株主には会社の重要な権限が付与されており、重要な決定をすることができます。
通常、一人で起業する際には出資するのも自分ひとりというケースが多いかと思います。
しかし、仲間同士で協同で起業する場合には株主構成には十分注意する必要があります。

1.3.8 役員構成の決め方

会社法改正により、取締役の数は1名以上入ればよいことになりました。
自分ひとりで起業する場合には、自分が役員、代表取締役になればよいですが、ビジネスパートナーが複数いる場合には、
その中から代表取締役を選任しないといけませんし、夫婦で会社設立を検討している場合には、奥様を役員登記するか否かということも検討しなければいけません。

また、取締役会を設置する場合には役員3名以上、監査役1以上が要件となってきます。外部株主、外部出資が入る場合には取締役会設置の検討もしないといけないかもしれません。

1.3.9 事業目的のチェック

事業目的は「定款」に記載します。「定款」とは、会社名や事業目的など会社の基本的なことで重要なことが記載されている資料のことです。
よく「定款は会社の憲法」と言われます。
つまり、日常の営業活動で頻繁に使ったりはしませんが、基本原則などを定めてあるものと思えば良いでしょう。

会社の全体像や組織についてのルールを定めるものと思ってください。「定款」は公証人役場で認証をしてもらうのですが、そのときに具体性がなかったり、
外国の文字が入っていたり、法律上認められない事業を記載したりしては認証されません。
また実際はある程度「お決まりのフレーズ」を使うことが望まれます。

さらに事業目的は会社の登記簿謄本にも載ってきますので、取引先や業務提携先にも見られるものです。
あまり奇抜なものを挙げておくと事業目的を疑われる可能性もあります。
公的な許認可申請をしなければいけない業種ですと、
定款に必要な事業目的がないと許可申請が降りないことがあります。
許認可が必要な業種をいくつか例を挙げますと、

飲食店、喫茶店 保健所の許可が必要
ペットショップ 保険所への届出が必要
美容院 保健所の確認が必要
古物販売、リサイクル業 古物販売、リサイクル業
中古車売買 警察署の許可が必要
金券ショップ 警察署の許可が必要
薬局 都道府県の許可が必要
建設業 都道府県の許可
酒の販売 税務署の免許
運送業 陸運支局の許可
自動車整備業 陸運支局の認証
派遣業(一般) 厚生労働省の許可
派遣業(特定) 厚生労働省への届出

などがあります。これ以外にも許認可が必要な業種は1000以上ありますので、自分が行っていこうとしている業種は
許認可が必要でないかどうか確認しておきましょう。

最近ではインターネット通販の大手サイトも定款に「通信販売業」という項目が
あるかそうか確認するようになってます。
こういった点に注意をしながら最後に「上記に附帯する一切の業務」
という一文を入れておいてください。
これで関連する事業が制約なく行えるようになります。

1.3.10 印鑑の作成

法務局へ設立登記申請をするときに、代表取締役の印鑑を届け出ることになります。
代表取締役の印鑑の他に、銀行印、角印、住所等のゴム印も一緒に作っておくのが通常です。
印鑑は会社設立後、長い付き合いとなる大切なものです。

1.4 定款の作成と認証、電子定款

会社設立の一つ目の山場が「定款の認証」です。
この「定款」は、作成後に「公証人役場」という役所で認証してもらいます。
つまり内容に不備がないかなどを公証人に確認されるということです。

書き方や表現方法は決まりがあって、厳しく審査されます。
例えば住所を「1-1-1」と書いてはいけません。
「一丁目1番1号」と書かなければいけないのです。
定款の内容は「STEP1」や
「STEP2」で決めた事を使って作成します。
他にも公告の方法や株式の譲渡制限に関することなど記載事項は多岐にわたります。

大きく分けると

  • 絶対に記載しなければいけない事項(絶対的記載事項)
  • 記載すると法的な効力が発効する事項(相対的記載事項)
  • 必ずしも記載しなくても良い事項(任意的記載事項)

の3つになります。

「STEP1」や「STEP2」で決めた事柄は絶対記載しなければいけない事項です。
一つでも欠けていると定款自体が無効です。
公証人役場の認証を受けることはできません。

もし自分で定款を作成する時間がなかったり、自信がない方は専門家に任せるほうが良いでしょう。
なお定款の認証には

  • 株主全員の印鑑証明
  • 収入印紙4万円
  • 定款認証手数料5万円
  • 定款3部

を公証人役場に提出する必要があります。
定款を電子定款にすれば収入印紙代4万円はかかりません。

代理人が行く場合には委任状も持参してください。
問題がなければ1時間程度で認証され、修正がある場合は可能であればその場で訂正し、
修正が不可能であれば再提出することになります。

1.5 出資金の払い込み

STEP5:出資金の払い込み
定款が無事に認証されると、いよいよ資本金を払い込みます。
定款には、一株がいくらで、各発起人が何株分を出資するかなどを記載しなければいけません。
これに基づいて資本金を払い込むのです。
このときによく質問されることがあります。

それは「どこにお金を振り込むのか?」ということです。
会社の資本金なので会社の通帳に振り込むような気がしますが、ちょっと待ってください!
会社の通帳は会社設立後でしか作れないのです。
ではどこに振り込むかというと「株主(発起人と言います)」の個人口座になります。

もし株主が自分ひとりでのときは、「自分で自分の口座」に振り込むのです。
ちょっと変な感じですね。注意点があります。
それは「資本金にしたい金額」をふりこまなければいけないのです。
残高が資本金になるようにするのではありません。

例えば、資本金を100万円にしたければ、100万円ちょうどを振り込むのです。
残高が100万円になるようにするのではありません。それも振込み人の名前が印字されるようにふりこまなければいけません。
よく勘違いされるところですのでご注意ください。

振込みが済むと、振り込んだことが記載されている通帳のコピーが「払い込みの証明」になります。
これとは別に、金融機関名・支店名・口座番号・口座名義人が記載されたページ
(通常は通帳の表紙を1枚めくったところ)もコピーしておいてください。

「払込みがあったことを証する書面(証明書と言います)」と上記の2つのコピーをホッチキスで重ねて留め、
会社の実印を押すと提出する書類の一つが完成です。

1.6 登記申請書類の作成

STEP6:登記申請書類の作成
資本金の振込みが終われば、今度は最後の関門「法務局」に提出する書類作りです。
法務局とは登記関係の仕事を行う役所で、この法務局に認められると晴れて「会社設立」となります。

提出する書類は多岐に渡ります。簡単に挙げると、

  • 定款
  • 資本金の払いこみがあったことを証する書面(証明書)
  • 資本金の額の計上に関する証明書
  • 設立登記申請書
  • 代表取締役の印鑑証明

などが必要になります。

設立の方法によっても必要書類が変わりますので、不備がないか十分吟味して作成しなければいけません。
また上記の登記申請書以外にも「印鑑届出書」を出す必要があります。

これは会社の実印を登録するためのものです。
個人であれば実印の登録は任意ですが、会社は必ず実印を登録しなければいけません。合同会社設立の場合に必要な申請書類は株式会社設立の場合と若干異なってきます。

1.7 登記申請

STEP7:登記申請する
法務局に提出する書類が揃えば、いざ申請です。
登記の申請は本店所在地を管轄する登記所(法務局または支局・出張所)で行います。
登記所が申請書類を受理した日が設立日として公に認められます。

「STEP0」でも言いましたが、大安などの日取りが気になる方は
この日を、まず最初に決めなければいけません。
登記とは、会社の基本情報や重要事項を登録し、一般に公開する制度のことで、
会社同士の安全かつ円滑な取引を図るためのものです。
申請手続は、原則として会社の代表者(または代理人)が登記所に出向いて行います。

申請には期限が決められており、取締役による調査(株式の払込が済んでいるか、設立が法律や定款に違反していないかの調査)、
または発起人が定めた日から2週間以内に申請することが義務づけられています。

会社設立は、定款の作成からはじまり、役員の選任、出資金の払い込みを経て、登記するという流れで行います。
その際、個人や会社の実印、出資者や役員の印鑑証明書、預金通帳などを用意しなければなりません。
そのため、手続きの準備をするため、あらかじめ情報収集しておいたほうがいいでしょう。

1.8 登記完了

STEP8:会社設立完了
登記所に登記申請をすれば、その場ですぐに会社の設立が認められるわけではありません。
提出後、登記官によって審査がされます。
書類に不備があった場合は補正(訂正)を求められます。
補正の結果が出る日のことを補正日と言いますが、申請した日から補正日まで約1週間ほどかかります。

つまり、"問題がなければ約1週間くらいで補正日になり、会社の設立が正式に認められることになるのです。
これでやっと登記完了です。
登記が完了すると登記簿謄本と印鑑証明が手に入ります。

登記簿謄本や印鑑証明は会社の通帳を作ったり、事務所を借りたり、税務署への届出をしたりするときに必要になるものです。
いよいよ銀行口座を開いて、事務所を契約して、あなたの会社が本格的に始動することができるようになります!

STEP9:税務関係手続き
登記所への手続きが終わってほっとしてはいけません。
まだ手続きが続きます。
各役所への届出です。
本当に重要なのはこれ以降の手続きと言っても良いでしょう。
なぜならこれからの書類は提出期限が定まっているものが多く
もし提出期限までに提出しなければ不利な条件を強いられることになるからです。

役所の方から督促などはないので、忘れていても誰も注意してくれないことも怖いところです。
具体的には、税務署、都道府県税事務所、市役所、社会保険事務所、ハローワーク、労働基準監督署などに設立関係の書類を提出しなければいけません。
正直、作る書類は多いです。
1枚1枚の書類の内容も専門的で難しい。

さらに選択しなければいけない項目では、選択した結果で有利・不利が生じることがあります。
これらの書類は専門家に任せるか、自分で作るときは十分な下調べをすることをお勧めします。
特に税務署への提出は期限があり、その期限以内に提出をしないと有利な規定が受けられなくなったりします。
十分ご注意ください!

2 会社設立後に必要な開業の届出

会社設立後に必要な届け出は、大きく分けて、税金関係、労働保険関係、社会保険関係の3つがあります。
以下、説明していきます。

2.1 税金関係の届出

税務署へ届け出る書類

法人税及び消費税など、国に納める税金関係の書類を届け出ます。

法人設立届出書

提出書類は以下の通りです。提出期限は会社設立後2カ月以内です。
届け出る税務署は本店所在地を管轄する税務署です。

  • 登記簿謄本
  • 定款の写し
  • 設立時の貸借対照表
  • 株主名簿の写し(株式会社の場合)
  • 現物出資があるときは出資者の氏名・出資金額等を記載した書類

青色申告の承認申請書

会社が自主的に所得を計算し、税金を収めることができる青色申告の承認を受けるための書類です。
提出しないと自動的に白色申告者となり、課税上の特典を受けることができなくなります。
提出期限は、会社設立から3カ月以内です。
ただし、この期間に事業年度が終わる場合は事業年度内です。

給与支払事務所等の開設届出書

給与を費用として扱うために必要な手続きです。
提出期限は、第1回給与支払日までです。

棚卸資産の評価方法の届出書および減価償却資産の償却方法の届出書(任意)

棚卸資産の評価方法の届出書は、棚卸資産の評価方法を届け出る書類です。
減価償却資産の償却方法の届出書は、減価償却資産の減価償却方法を届け出る書類です。
期限は、第1期の確定申告の提出期限までです。

なお、届け出なかった場合、棚卸資産の評価方法は、自動的に「最終仕入原価法」となります。
また、原価償却資産の償却方法は、自動的に「定率法」となります。

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 (任意)

通常、毎月納付する源泉所得税を、従業員が常時10人未満の会社は
半年に一度まとめて納税できる制度(源泉所得税の納期の特例)があります。
この制度を利用したい場合に申請します。

提出期限は、特例を受けたいときです。
適用は、提出した日の翌月に支払う給与等からが対象となります。

2.2 市区町村役場又は都道府県税事務所へ届け出る書類

住民税及び事業税など、地方税関係の書類を提出します。
都道府県によって、書式や提出期限が若干異なるため、詳細は該当窓口で確認の必要です。

法人設立届出書

提出書類は以下の通りです。

  • 定款の写し
  • 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)

届け出るのは、都道府県税事務所、および市区町村役場(東京都を除く)です。
提出期限は、都道府県税事務所は、会社設立後15日から1カ月以内、市区町村役場は、会社設立の日から2カ月以内です。
なお、各都道府県、市区町村によって若干異なります。

2.3 労働保険関係の届出

従業員を一人でも雇用した場合、労働基準監督署、ハローワークへ以下の書類を届け出なければなりません。

労働保険関係成立届

添付書類は以下の通りです。
提出期限は労働保険関係が成立(従業員を雇用)した日の翌日から10日以内です。労働基準監督署に届け出ます。

  • 履歴事項全部証明書(登記謄本)
  • 事業所の賃貸借契約書

労働保険概算保険料申告書

労働保険料を概算保険料として申告・納付するための書類です。
提出期限は、労働保険関係が成立(従業員を雇用)した日から50日以内です。

労働保険概算保険料申告書

添付書類は以下の通りです。
提出期限は労働保険関係が成立(従業員を雇用)した日の属する月の翌月の10日までです。
ハローワークに届け出ます。

  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿またはタイムカード

雇用保険用事業書設置届

添付書類は以下の通りです。
提出期限は労働保険関係が成立(従業員を雇用)した日の翌日から10日以内です。
ハローワークに届け出ます。

  • 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿またはタイムカード

2.4 社会保険関係の届出

会社の場合は、その規模にかかわらず、会社設立と同時にすべての会社が社会保険への加入が義務づけられています。
会社設立後、5日以内に新規適用届、新規適用事業所現況書を添付書類および提示書類とともに提出します。
また、従業員の雇用した場合は、採用の日から5日以内に被保険者資格取得届、健康保険被扶養者届を提出します。

新規適用届、新規適用事業所現況書の添付書類

添付書類は以下の通りです。

  • 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
  • 事業所(事務所)の賃貸借契約書(賃貸の場合)
  • 口座振替依頼書

被保険者資格取得届の添付書類

原則として添付書類は不要です。

健康保険被扶養者(異動)届の添付書類

添付書類は以下の通りです。

  • 国民年金3号被保険者資格取得書
  • 被扶養者となる者の収入状況がわかる書類
  • 同居用件が必要な場合は住民票など扶養事実を証明できる証明書

3 自分で会社設立を考えている人向けの知っておくべき情報まとめ

3.1 本当に会社設立が必要か?会社設立のメリット・デメリット

これから事業をはじめる方からの典型的な質問の一つは「個人事業と会社組織とどちらがいいでしょうか?」というものです。その方の置かれている状況や、どのような事業をしたいのか等によって変わりますので、どちらがいいとは一概に言えません

個人事業からはじめて、軌道にのってきたら法人化するというケースもよくあります。個人事業は開業届を出すだけではじめられますので手軽です。法人は、法務局に登録(登記)をする必要があります。

登記は個人でいう出生届のようなもので、登記をすることで新たに法人が誕生したことが認められるのです。個人事業と比べて手続きに時間と金額がかかりますが、対外的信用度が高い、税制上有利になるなどのメリットがあります。個人事業と法人、それぞれの特徴を比較し、検討してみてください。

個人事業 法人
設立のしかた 登記不要。
税務署などの役所へ開業届を行う。
定款作成と登記が必要。
費用は25~45万円くらい。
事業年度 1月から12月の暦年 自由に選べる
代表者の扱い 自らの給与は
経費にならない。
代表取締役となって
会社から給料(役員報酬)を
受け取ることができる。
対外的信用・イメージ 法人でないと取引に応じて
もらえないこともある。
個人事業に比べ、
対外的信用度が高く、
企業イメージもよい。
優秀な人材を確保しやすい。
赤字の繰越控除 赤字の金額は翌年以後
3年間の黒字金額から
引くことができる
(青色申告の場合)。
赤字の金額は翌事業年度以後
7年間の黒字金額から
引くことができる。
交際費の取扱い 業務の遂行上必要と
認められるものについては
経費計上が可能。
期末資本金1億円以下の法人は、
年間400万円までについては
90%まで損金参入。
社会保険への加入 原則として5名までは
社会保険の加入は自由。
社長1人の会社でも
社会保険に加入しなければならない。

3.2 自分で会社設立をするメリット・デメリット

会社設立の手続を自分でやろうとしている方々も多いことかと思います。
創業時のコストをなるべく掛けたくないとか、自分の会社だから最初の手続は自分でやりたい等様々かと思われます。

しかし、手続自体が煩雑で時間がかかるのはもちろん、会社設立について調べる時間も含めれば膨大な時間がとられることになります。
自分で会社設立の準備に入る前に、自分で会社設立をするメリットとデメリットを再確認しておきましょう。

まず、費用面を見て行きます。
会社設立手続にかかる実費は、定款に貼る収入印紙代が4万円、定款の認証手数料が5万円、定款の謄本手数料が2千円、
設立にかかる登録免許税が15万円、合計で202,000円となります。

これに法人実印代5000円~、設立時に必要な個人の印鑑証明書取得費約300円×枚数、新しい会社の登記簿謄本等取得費約500円がかかってきます。

例) 資本金1,000万円の株式会社の設立

自分で会社設立手続きを行なう場合

実費
  • 定款に貼る収入印紙代 : 40,000円
  • 定款の認証手数料 : 50,000円
  • 定款の謄本手数料 : 2,000円
  • 設立にかかる登録免許税 : 150,000円
+
その他費用
  • 新しく設立する会社の実印作成代 : 約5,000円程度〜
  • 設立時に必要な個人の印鑑証明取得費 : 約300円×必要枚数
  • 新しい会社の登記簿謄本の発行費 : 約500円×必要枚数
=
合計約250,000円

このうち、専門家に依頼すると、上記実費のうち安くなる費用が定款の収入印紙代です。
定款を電信定款で作成してくれるため、収入印紙が不要となり4万円が安くなります。
(会社設立手続のうち、電子定款のみ安く対応してくれるところもあります。「電子定款代行」とWEBで検索してもらうと電子定款代行可能な業者が出てきます。自分で電子定款を作成することも可能ですが、ICカードリーダライタを用意したり、電子証明書を取得等が非常に時間的コストを要することになります。)
その反面、専門家に依頼する場合には、設立代行手数料がかかってきますので、
金額は代行会社によってピンきりですが、5万円前後の手数料が相場感になります。

専門家に依頼した場合

実費
  • 定款の認証手数料 : 50,000円
  • 定款の謄本手数料 : 2,000円
  • 定款の謄本手数料 : 2,000円
  • 設立にかかる登録免許税 : 150,000円
+
その他費用
  • 新しく設立する会社の実印作成代 : 約5,000円程度〜
  • 設立時に必要な個人の印鑑証明取得費 : 約300円×必要枚数
  • 新しい会社の登記簿謄本の発行費 : 約500円×必要枚数
  • 専門家の代行手数料 : 約50,000円〜
=
合計約260,000円

ホームページで“会社設立”と検索すると、「会社設立0円」をよく見かけることになりますが、
会社設立後の税理士契約が前提となっています。
もちろん会社設立のみを依頼することもでき、その場合はやはり、5万円前後の手数料がかかります。

株式会社設立費用、合同会社設立費用の説明、自分で手続きを行った場合と代行を専門家に依頼した場合の違いについて解説

設立費用だけを比較すると、結局自分で手続をしても専門家に依頼しても1万円くらいの差でしかなくなってしまいます。
会社設立を自分でやる場合には、電子定款を自分で対応できれば収入印紙不要となり、
専門家に対する手数料も勿論、不用となるので手数料相当の5万円ほどを得することができます。

ただし、冒頭でも述べたように会社設立手続は煩雑で調べる時間、特に電子定款に関しては非常に準備が大変になってきます。
会社設立時は起業家にとって大事な本業を軌道に乗らせるための大切な準備期間でもあります。

手続に没頭しすぎて、本業に影響が出てきてしまっては本末転倒となってしまいます。
とはいっても、自分で会社設立をしたいという人にとっては、それも含めて自分で会社設立する意味を自身で見出していると思います。

自分でやりきった時には、今後の会社経営に必要な会社法の知識が身に付きます。
また、会社設立に当たっての注意すべき事項や税務や関連事項も勉強できるため、その後の糧になることも多いはずです。

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